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特集記事 【イベントレポvol.3】りぷらす代表橋本大吾氏が取り組む、”支えられる側が支える側にまわる”福祉とは?-第4回みちのく復興事業シンポジウム-

地方創生のヒントin東北5288viewsshares2016.05.12

【イベントレポvol.3】りぷらす代表橋本大吾氏が取り組む、”支えられる側が支える側にまわる”福祉とは?-第4回みちのく復興事業シンポジウム-

2016年3月8日、「みちのく復興事業パートナーズ」とETIC.は、電通ホールにて、「みちのく復興事業シンポジウム」を開催しました。

東北の被災地では高台移転や復興住宅の建設が進む一方、まちや産業の復興はいまだ途上の段階にあります。しかし、東北ではこの5年間、さまざまな人々が集まり、さまざまな試みがなされ続けています。この復興という過程で、東北のみならず、日本の地方創生の契機が生まれつつあります。

地方創生において、企業は何ができるでしょうか? この日、東北復興に取り組む企業のコンソーシアム「みちのく復興事業パートナーズ」はゲストもまじえ、地方創生における企業の取り組みについて議論しました。

みちのく仕事では、 みちのく復興事業シンポジウムの内容の一部を6回にわたってお届けします。今回はその第3回。一般社団法人りぷらす代表理事の橋本大吾氏による、石巻市でリバビリテーション複合施設を運営する取り組みの紹介です。

●みちのく復興事業シンポジウムのイベントレポート
【イベントレポvol.1】「東京より田舎のほうがリスクが少ない」『里山資本主義』藻谷浩介氏が考える、その理由とは?-第4回みちのく復興事業シンポジウム-
【イベントレポvol.2】「大切なのは、まず自分が幸せになる覚悟があるか」森の学校牧大介氏が語る、地域おこしに関わる人に大切なこと-第4回みちのく復興事業シンポジウム-
【イベントレポvol.3】りぷらす代表橋本大吾氏が取り組む、”支えられる側が支える側にまわる”福祉とは?-第4回みちのく復興事業シンポジウム-
【イベントレポvol.4】「漁師の仕事を新3K=かっこいい、稼げる、革新的に」フィッシャーマン・ジャパンの長谷川氏が描くビジョン-第4回みちのく復興事業シンポジウム-
【イベントレポvol.5】「きちんと動けるチームを、セクターを越えてつくれるか」アスヘノキボウ小松氏が語る、地域おこしのポイント-第4回みちのく復興事業シンポジウム-
【イベントレポvol.6】地方創生のために、企業ができることとは?-第4回みちのく復興事業シンポジウム

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橋本 大吾 氏 - 一般社団法人りぷらす代表理事 理学療法士。茨城県鹿嶋市出身。東日本大震災後、リハビリ専門職の支援団体を設立し、石巻市の支援活動開始。2011年石巻市へ移住。2013年1月「一般社団法人りぷらす」設立。「子供から高齢者まで病気や障がいの有無にかかわらず地域で健康的に生活し続ける事が出来る社会を創造する」を理念に活動。2014年1月リバイブジャパンカップ復興ビジネスベンチャー部門審査員応援賞受賞世代を問わず年間約3,500名と交流。

橋本 大吾 氏 – 一般社団法人りぷらす代表理事
理学療法士。茨城県鹿嶋市出身。東日本大震災後、リハビリ専門職の支援団体を設立し、石巻市の支援活動開始。2011年石巻市へ移住。2013年1月「一般社団法人りぷらす」設立。「子供から高齢者まで病気や障がいの有無にかかわらず地域で健康的に生活し続ける事が出来る社会を創造する」を理念に活動。2014年1月リバイブジャパンカップ復興ビジネスベンチャー部門審査員応援賞受賞世代を問わず年間約3,500名と交流。

基調講演に続くプレゼンテーション「東北から生まれている新たな可能性とは?」では、3人の登壇者が東北での試みを紹介しました。

まずETIC.の理事・事業統括ディレクターの山内幸治がモデレーターとして、「牧さんのお話にもあった“やる人”をいかにつくっていくか?」が鍵であろうと述べ、「東京ではなく、いちばん厳しい東北でチャレンジしている3人」の話の重要性に注意を促しました。

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行政の予算をできるだけ使わず、健康づくりとまちづくりを

石巻市でリバビリテーション複合施設を運営する一般社団法人りぷらす代表理事の橋本大吾氏は、石巻では高齢化率が32%であり、「介護が必要な方が予測よりも2.5倍ぐらい増えています」と現状を示しました。そのような現状のなか、りぷらすではさまざまな事業に取り組んでいますが、たとえば、要介護者や障害児、障害者のデイサービスに、中学生や職のない若者を参加させることを試みています。そのプロセスで、障害児と障害者と高齢者、あるいは若者と高齢者とのあいだで交流が生まれているとのこと。「高齢者が何がすごいかというと、みんなを受け入れてくださるのです」と橋本氏は言います。

そのほかりぷらすでは、要介護状態となることの予防を自ら実践する住民を増やすことを目標に、体操教室などを開催する「おたからサポーター」の育成にも取り組んでいます。「病気になってから介護するのではなく、防いでいこうということです。今年度には2000人ぐらいが参加することになります。行政の予算をできるだけ使わず、健康づくりとまちづくりをしていくのです。首都圏に応用できるモデルになれば、と思っています」

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橋本氏の話を受け、山内は「1人が要介護認定を受けるといくらかかるのでしょうか?」と質問し、橋本氏は「仮に私たちのデイサービスを使うと1回6000円ぐらいです」と答えました。山内が「医療費がかかってしまうようになる前の予防として住民の方自らが体操指導をするということですが、実際の効果は?」と問うと、橋本氏は「体操を指導される人の前に、体操を指導するほうの人の“生きがい”やQOL(生活の質)が上がっているのではないかと考えていて、来年度1年かけて調べていきたいと思っているところです」と答えました。

山内が「自治体や地域との協力は?」と尋ねると、橋本氏は「地域によってかかわりの密度は違うのですが、行政だけでは支えきれないと認識されている地域の方には積極的に活用していただいています。また、生活困窮や障害、介護といった問題を別々にではなく、いっしょに取り組んだほうがいいではないかということで、各地の方と連携して活動しています」と説明しました。

山内は「いかにして支えられている側が支える側にまわっていくか? そうやって地域みんなで健康を守っていく仕組みをつくっていくか? これはいま非常に注目されている取り組みの1つですね」と受け止め、次の登壇者を紹介しました。

書き手:粥川 準二(フリーライター)

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●みちのく復興事業シンポジウムのイベントレポート
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