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特集記事 事業の価値をワークショップで再発見!課題解決ワークショップ(NPO法人りぷらす編)

リーダーがビジョンを語る4851viewsshares2014.03.26

事業の価値をワークショップで再発見!課題解決ワークショップ(NPO法人りぷらす編)

宮城県石巻市で高齢者を対象としたデイサービスを中心とした事業を行っている一般社団法人りぷらす。多角的な事業展開を通じ、地域を巻き込んで高齢者を支える仕組み作りに取り組んでいる。

宮城県は震災後に要介護認定者が急増し、震災後2年間(2011年5月末~13年5月末)の都道府県別の要介護・要支援認定者の増加率は1位が宮城で18.8%増、2位が福島で14.3%増。岩手は10位で12.0%増であった。いずれも全国平均(11.3%増)を上回る。宮城県内でも石巻市の要介護認定増加率は女川町に次いで第2位となっている。りぷらすはその石巻市の中でも医療・介護過疎地である河北地域で事業を立ち上げた。

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(図:厚生労働省「震災後2年間の要介護・要支援認定者の増加率」)

地域のみならず日本の今後の課題として、要介護者の増加により介護保険料が膨大になっていく中で、りぷらすは、介護保険からの卒業を目指した事業展開を行っている。床から立つ・料理を作るなどのトレーニングを中心としたデイサービス事業では、身体機能と生活機能の回復・改善を目的とし、認定を受けるとなかなか脱することが出来ない要介護者へ、リハビリプログラムを提供している。実証実験では89歳が介護保険から卒業した、という実績があるが、まだりぷらすの実績を発信しきれていないと感じていた。

代表の橋本大吾氏は、かねてから考えていた 「りぷらすの意義や価値をどのように伝えるか発見、デザインすること」 を目的に、「課題解決ワークショップ」を開催した。課題解決ワークショップ」とは、課題を発見。解決するために関係するステークホルダーが集まり、対話形式で本質な問題の発見と解決先を探っていくためのワークショップである。

今回はNPO法人りぷらすの社員2名、りぷらすの活動をサポートしたことがある外部団体のスタッフ、社会福祉の専門家、社会福祉士としても活動するNPO法人ETIC.の団体担当コーディネーター、以前りぷらすを取材したことがある学生記者、看護学部の学生、など8名が参加し、一般社団法人こはくの岩井秀樹氏のファシリテーションでワークショップは進行した。

まずはりぷらすを取り巻く環境の確認ということで、りぷらすのサービス提供エリアのニーズおよび介護サービス提供者の状況を確認した。 その後、りぷらすの価値の発見ということで、りぷらすを立ち上げた橋本氏、現在スタッフとして活動している小山氏についてについて”ジョハリの窓“で理解を深めた。参加者が 「りぷらすの2人について知っていること」 「知らないこと・知りたいこと」 「自分が2人に貢献出来ること」 の3点を元に意見を出した。また、震災直後から現在までりぷらすについて起こった出来事をタイムライン上に記述し、りぷらすのこれまでのストーリーを参加者で共有した。

これまでのりぷらすの歴史、関わるスタッフの思いを確認した後、りぷらすの価値について議論が進んだ。スタッフ2名が、現在りぷらすが提供しているサービスの業務フローを整理・作成し、誰に対してどのような価値を提供しているのかを参加者に共有した。

りぷらすを取り巻く人々、与えている価値を把握し、橋本氏が兼ねてから課題に思っていた 「誰に何をどのように伝えるのか?」 について議論。 多数ある ”伝える“ 方法について、参加者全員でブレーンストーミングでアイデア出しを行った。 また、りぷらす および 2人のスタッフの価値を改めて整理した後、“伝える” x “価値” で誰に何をどのように伝えるかをアイデア出しを行った。

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今回のワークショップでは「価値の発見」と「伝える方法」についてアイデア出しを行い、多くのアイデアが生まれた。

【代表的な意見】
① 地域の町内会、老人会などと関係を深め、りぷらすの介護支援および介護予防事業を地域の機能の一部として理解・活用してもらうよう働きかけていく。
② 生命保険巡回員と連携することで生保の営業網を活用する(生命保険にとっては、りぷらすは生命保険にない付加価値がある)
③ 病院との連携し、病院からりぷらすを宣伝してもらう。(病院にとっても、りぷらすは外部リソースとして有効)

りぷらす橋本氏は 「組織を立ち上げてからこれまで、こうやって自分の事業について整理することはなかった。外部の方が集まって、様々な意見を聞くことが出来たのは貴重な機会だったと思う」 と語った。また、りぷらすの活動をサポートしたことがある外部団体のスタッフは 「自分の団体でもこのような事業整理のワークショップを実施したい」と、参加者にも良い刺激となったようである。今後はこのアイデアを元にりぷらす内で更に検討を行い、実行に移すかどうか判断していく。 アイデアの内容については必要に応じて、今回同様ワークショップ形式でブラッシュアップしていくことも検討している。

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