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特集記事 未来の石巻をつくる、ものづくり、まちづくり

リーダーがビジョンを語る6877viewsshares2012.01.13

未来の石巻をつくる、ものづくり、まちづくり

未来の石巻を造り出す為のヒントやチャンスを生み出そうとしている「ISHINOMAKI2.0」。再生可能な物件を使用した施設作りや、地元食材を利用したメニューの開発、野外映画上映、それに復興バーなど、商業や文化の観点から様々なアクションを起こしています。今回は、そのISHINOMAKI2.0で活動されている小泉さんに、復興バーにてお酒を交えながらお話を伺いました。【ISHINOMAKI 2.0/石巻工房/オンデザインパートナーズ 建築家 小泉瑛一(こいずみよういち)】

 

 

はじめて石巻の方に来たのは、どのような経緯だったのですか?

建築家の西田司(オンデザインパートナーズ)と、4月から手探りで動き出したのが始まりですね。復興支援というと大げさなのですが、とにかく若手建築家としてこの東北復興に何か関わらなきゃいけないと思ったんです。僕たちの世代は、大きなマスタープランを作るとか、突拍子のない提案をするという事ではなく、現地にまず入って、何か出来ないかなと考えるんですね。

それで4月10日に現地入りをして、最初はボランティアをするために来ていました。その時は、僕と西田の先輩である建築家の芦沢啓治さんのお施主さんであった「阿部新旅館(松竹)」と言う料理店に行って、避難所の間仕切りを作るという話になったんです。避難所になっている石巻高校に行ったら、間仕切りのための人手は足りていると言われたので、その時は中華料理屋さんの泥かきをしました。

2回目はゴールデンウィークのときで、大学の同級生と泥かきをしてきました。3回目に長く石巻に滞在をしはじめて、10日間「阿部新旅館」に居候をさせてもらいました。まあ今でも居候なのですが。それがきっかけで、「阿部新旅館」が、僕らのアジトになりました。電気が完全には復旧していない段階で、工事用の照明の元、鍋などをやりながら毎日仲間と話していたんです。僕らの周りだけでも色々な職業の人が集まっているし、泥かきなどの作業だけで終わるのではなく、デザインをするとか、クリエイティブな力で何かアクションを起こした方がいいんじゃないかという話になった。そしてチームが出来て、「ISHINOMAKI 2.0」という名前になりました。

なるほど。その後も、現地側の需要は変わってくるのでしょうね。

そうですね。始めにやったのが「石巻VOICE」というフリーペーパーで、とにかく石巻の人達がどういう事を街に対して考えていて、これからの街をどうしていきたいのかというのをヒアリングしようという事で作りました。

 

 

―フリーペーパーで何か起きましたか?

「ISHINOMAKI 2.0」でSTAND UP WEEKというイベントを行ったですが、名刺代わりにこのフリーペーパーを配れる事が大きかったですね。野外映画上映会や、町の人の声を聞きながら町歩きをするというツアーをしたり、サブカルの回、産業の回、子供の回などのシンポジウムなどを開きました。これがきっかけになって、別のボランティア団体などと繋がりが出来ました。まちづくりを行政などの機関に任せるのではなく、市民レベルで出来る事からはじめて、新しい街を作っていく事が重要だと思っています。その為の手段として「石巻2.0」を広めていけたらなあと考えていますね。

―フリーペーパーはまた発行するんですよね?

そうですね。つぎは「vol.1 Future」という号で、9歳の子供から30代まで石巻の若手に焦点を当てて、未来について話してもらおうかなあと思っています。

それとあと、震災以前からシャッター街がこの街にはありまして、震災云々関わらずに、それらを活用して、人が集まれたり泊まれたりする場所を作る事は必要だと思っているんです。まちなかの空き店舗を有効に活用して、そこに人をどう留まらせるかというのがポイントかなと。そうする事で、このバーのように夜までいれるようになったり、色々なまちなかで買い物をしたりご飯を食べたり、そういう小さい事でも経済は動いていくので、そういう事でまちなかを活用していけたら良いのかなあと考えています。

―今はどんなお仕事をされているのですか?

今は石巻を訪れる人が滞在できる場所としての復興民泊の整備や運営、ものづくりの場としての石巻工房の整備とそこでの家具製作などをしています。今の工房よりも、もっと自由に使える所への移転を検討していまして、同時に工房で商品開発を進めていこうと考えています。

―商品化?

そうですね。プロダクト製品を作って、それを利用して町の人へ還元していったり、雇用が出来れば良いと考えいてます。最近、工具が大幅に揃えられたんですよ。なので、市民が使える工房として、展開していきたいですね。

 

 

―例えばちょっとした物を直すことも可能ですね。

だんだん、ものづくりの動きが盛んになってきている気がします。震災直後から6、7月までは、ものづくりの仕事はまだ先の事かなあと思っていたのですが、細かいニーズが結構あるんですよね。例えばお店の家具がそうですね。既製品だとサイズが結構合わない事が多いので、津波で流されたから新しく作ってほしいと頼まれる事があります。僕も勉強になりますね。

―今は職人さんがなかなか忙しいので、気軽にちょっと声をかけれる人がいたらいいですよね。

そうですね。大工さんにお願いする費用も値上がりしていますからね。

そして僕たちは、大工さんの代わりになるというだけでなく、情報発信や街に新しい機能を実験的につくりだしていくことも重要な役割だと考えています。1月から、ISHINOMAKI 2.0のオフィスと石巻工房は場所を移して、シェアオフィスやコミュニティスペースとしてさらにいろいろな人が訪れて、未来について語れる場としてまちに開いていこうとしています。

―新しい拠点、楽しみですね。またお伺いさせてください。ありがとうございました。

 


 

※1月12日には新しいオフィスと石巻工房ができたようです。

ISHINOMAKI 2.0 | 石巻2.0

 

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