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特集記事 地域資源を活かした交流産業実現へ!課題解決ワークショップ(南三陸観光協会編)

リーダーがビジョンを語る5231viewsshares2014.03.26

地域資源を活かした交流産業実現へ!課題解決ワークショップ(南三陸観光協会編)

“全ては人づくりにあります”
-南三陸町 産業振興課 観光振興係 係長 宮川舞さん

東日本大震災後、南三陸町では復興に向けて、観光まちづくりを戦略の柱のひとつに据えている。その取組の視点は、観光ブランドづくりでも、観光商品づくりでもなく、ひとづくりに置かれている。

有名な景勝地があるわけでもなく、もともとは観光にそれほどの力を入れていなかったという南三陸町が転機を迎えたのは、平成20年に始まった「南三陸ふるさと観光講座」だ。町民を対象に、まちの魅力を見つめ直そうというこの講座には、高校生から80代まで、実に1,000人もの町民が参加した。

いまや南三陸町の名物となった「キラキラ丼」も、この講座から誕生した。震災後の語り部ツアーも、その原型はこの講座から始まった「ふるさと案内人」だという。町独自の認定試験も作り、33名が試験を通過。その後、まち歩きツアーの開発や、旅行会社誘致の動き、さらには南三陸観光協会を行政から独立させ、一般社団法人化に踏み出す動きにも発展していった。「何よりも、町民の中に南三陸ファンが増えたのが成果」と宮川さんは語る。

震災により、これらの動きはいったん止まったものの、その後、観光協会を中心に、改めて交流人口拡大の取組が動き出している。震災後に人口が約17%(約3,000人)減少した南三陸町では、地域の賑わいのためには、交流人口の確保が、地域の戦略としても重要だ。

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“震災前の観光客数は年間100万人。何とか8割程度には戻ってきました。まずは震災前の数値に戻していくことが当面の課題ですが、その後は、膨大に増やすという発想ではなく、100万人の人たちがどう町中での交流を増やしていくかが大事だと思っています。“
-宮川さん

南三陸観光協会では、震災から三年が経過したこのタイミングで、このまちの交流産業を改めて盛り上げていこうとしている。そしてその戦略の軸には、やはり「ひとづくり」が中心に据えられている。

“震災後に交流の力を実感した人たちがいます。彼らはもともと漁業や農業などのフィールドを持ち、専門性を持っている人たちです。ここに震災後に生まれた新たな資源があります。”
-宮川さん

こうした新しい可能性を秘めた地域の人たちを掘り起こし、交流産業への地域の気運を高めていくことを目的に、南三陸観光協会企画部門チーフの及川和人さんが中心となり、課題解決ワークショップを開催した。当日は、地元の若者たちが中心となったNPOのスタッフや、南三陸の特産品販売サイト運営者、海の研究者、役場職員、観光協会スタッフなど、16名が集まり、一般社団法人こはくの岩井秀樹氏のファシリテーションでワークショップは進行した。※「課題解決ワークショップ」とは、課題を発見。解決するために関係するステークホルダーが集まり、対話形式で本質な問題の発見と解決先を探っていくためのワークショップである。

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前半には、株式会社西粟倉村・森の学校より、牧社長をゲストとしてお迎えし、人口1,700人の村で5社10億の新規事業が生まれてきた背景や、その中での人材育成の取組・考え方について勉強会を行った。その後、牧氏の話を聞いて感じたことを自由に話し合うところからワークショップを開始。そして、「今後チャレンジしたいこと」について、ディスカッションを行った。

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観光協会の及川さんは、「講師の牧さんの話が良い刺激となって、短時間の間に活発な議論が行われた」と振り返る。実際に、この場で出会った方同士の間で新しい企画も生み出され、3月26日には合同での木工ワークショップも開催された。

“テーマが近い人たちがお互いにやろうとしていることが可視化されてお互いを知れたことで、具体的なアクションにつながる。隣の団体の悩みを共有するという機会というのはなかなかなく、場があるとそれが見えてくる。お互いにソリューションを出し合えるのは有難い。”
-及川さん

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観光協会にとっても、今後はじめていく予定の新しい学びの場づくりに向けて、地域の人たちが考えていることが可視化されたことにより、今後のコンテンツを考えるベースを作ることにつながった。今後も農家の女性や漁師、商工会など、多様なステークホルダーを巻き込みながら、15人単位くらいで同様の場づくりをしていきたいと考えている。

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